脳ドックのすすめ

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脳疾患を早期発見

当クリニックの脳神経外科医 石川ドクター推奨

脳ドックは脳梗塞や脳出血、脳動脈瘤、脳腫瘍などの脳疾患をスクリーニングする専門ドックです。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの危険因子をお持ちの方、身内に脳疾患をお持ちの方がいる方、脳出血などの脳疾患が心配な方におすすめです。

担当医 石川 眞実(いしかわ まみ)

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■診療担当
脳神経外科外来
日本脳神経外科学会専門医

■所属学会
日本脳神経外科学会
日本脳卒中学会
日本頭蓋底外科学会
日本脳腫瘍の外科学会
日本脳ドック学会 他

メッセージ

前勤務先の自治医大に10年半勤務。その間、脳ドック部長として、3000人以上の頭部MR検査の脳断面と脳血管の画像診断を行い、症状のない受診者でも、白質病変、無症候性脳梗塞、症候性脳梗塞、脳血管の軽度狭窄から高度狭窄、脳動脈瘤も1-2mmの小さな動脈瘤から1cm以上の大きな動脈瘤まで、脳血管障害を中心として、診断してきました。

予防ができる脳血管障害

1、脳出血の予防

脳ドックは予防医学として、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血などの脳卒中を予防するために重要と考えられるようになってきました。3疾患全体を100としますと、脳梗塞は約75%、くも膜下出血7%、脳出血は18%です。脳動脈瘤の早期発見により動脈瘤破裂によるくも膜下出血を予防し、動脈硬化の進行を抑えて脳梗塞の発症を予防します。
では、脳出血はどのように予防するでしょうか。脳出血の発症は、男性は60歳台に、女性は70歳台にピークがあり、全体で8割以上が高血圧性の脳出血です。脳出血患者入院時の平均血圧は約180mmHgであり、脳出血の最大の危険因子は高血圧です。したがって、健康診断などで高血圧と診断された時には、降圧剤を内服して収縮期血圧を140mmHg以下に保つようにしていれば、高血圧性脳出血は予防できるものと考え、動脈硬化症による脳梗塞や心筋梗塞を予防することにもなるわけです。
高血圧性脳出血発症者の半数は、降圧剤内服による治療を受けており、内服していてもコントロールが不良であれば、脳出血を発症してしまいます。
高血圧以外の脳出血の原因は、脳動静脈奇形、海綿状血管腫、静脈性血管腫、アミロイドアンギオパチーなどがあり、発症した場合にはそれぞれ症例毎に、手術の適応や治療を検討する必要があります。脳出血を来す前に発見された場合には、保存的治療を行い、手術の必要性を熟考する必要があります。

脳神経外科医としては、くも膜下出血をはじめとする急性期の脳血管障害から、脳腫瘍(髄膜腫、下垂体腺腫、ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫、くも膜嚢胞、グリオーマ、悪性脳腫瘍、類上皮腫、聴神経腫瘍、三叉神経鞘腫)様々な疾患の診断と治療を行ってきました。

10年間の担当手術件数は、脳梗塞予防のための血管吻合や頸動脈内膜剥離術を100件、脳動脈瘤クリッピング術100件、脳腫瘍は、悪性腫瘍と良性腫瘍を含め300件、ハイビジョン内視鏡用いた鼻孔からの下垂体腫瘍内視鏡手術も約100件、顔がぴくつく顔面痙攣や顔が痛くなる三叉神経痛の手術は、ハイビジョン内視鏡と手術顕微鏡を併用した筋電図モニター下の神経減圧術を確立し50件以上行いました。

現在の脳の診察治療で、わかることできること、いまの症状や検査結果で必要なこと、予防のために何が必要か、治療として何ができて何が必要か、さまざまな脳神経外科手術の経験をもとに、現状に対する最善の治療を個々の状態に合わせて考え、さいたまセントラルクリニックでの脳神経外科外来の診察を行っております。

さいたまセントラルクリニックで診断のつく多くの病気

2、脳動脈瘤破裂(くも膜下出血)の予防

くも膜下出血発症者の3分の1は死亡または重度の後遺症を残し、3分の1は自立して社会復帰可能ですが、残る3分の1はやはり後遺症で生活が自立できないと言われております。
くも膜下出血のほとんどは、脳動脈瘤の破裂が原因です。破裂しやすさには、大きさ、動脈瘤本体の圧迫による神経症状の有無、動脈瘤が不規則であったり動脈瘤の先に小さいこぶがあるなどの形状、多発性、くも膜下出血の既往、家族歴などが関係すると言われています。
動脈瘤からのくも膜下出血は、反対側や脳の表面のくも膜下腔まで広範に出血が広がって脳圧が上昇すると、脳全体の圧迫と脳血流低下により、重症くも膜下出血となり意識レベルの低下をきたします。
くも膜下出血は、重症化する可能性が高い病気で、全体の1/3は死亡または重度の後遺症を残すと言われています。脳動脈瘤破裂の予防として、何かできるでしょうか。磁場の強い高精度のMRアンギオ画像を立体視することで、脳動脈瘤はほぼ見落されることなく診断できます。
未破裂脳動脈瘤が発見された場合、脳ドック学会では、脳動脈瘤の最初の発見から数か月以内の3DCTアンギオやMRアンギオの再検により、脳動脈瘤の増大がないことの確認を推奨しています。実際に未破裂脳動脈瘤の治療を受けた人の割合が多いのは、大きさが5mmから10mmの間の動脈瘤を持つ人で、破裂リスクと手術リスクのバランスの結果と言えます。

3-1、脳梗塞を予防する(手術なし)

手術せずに内科的治療での脳梗塞の予防は、心房細動などの心原性脳梗塞を除き、以下の2つが代表的です。(心房細動による心臓血栓による塞栓の予防には、抗凝固薬が必要です)

【1】MRアンギオや頸動脈エコー検査などで内頚動脈や中大脳動脈などの脳主幹動脈の狭窄や閉塞が認められたものの、狭窄率が50%以下の場合は手術適応が無く、狭窄悪化を予防し、血行力学的脳梗塞や脳塞栓を予防します。→→→→→狭窄の程度が強い場合やTIAや梗塞の既往がある場合は、抗血小板薬が必要であり、動脈硬化の危険因子となる糖尿病・高血圧・脂質異常症などの厳しいコントロールと禁煙・食事療法・運動療法などを併用して、脳血管の狭窄が進行しないように経過観察してゆきます。

【2】細い脳血管の狭窄や閉塞を原因とするアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の予防が必要です。→→→→→1と異なる点は、血管の狭窄が無い事です。そこで、脳梗塞発症と関連があると報告されている頚動脈エコー検査のプラーク(血管壁の内側を形成する内中膜複合体が厚くなり、厚さ1.1mm以上の部分)とMRI白質病変(FLAIR画像でみられる脳室周囲や深部白質の高信号)の程度を脳梗塞発症の指標として、動脈硬化の危険因子(血糖値、血圧、コレステロール値など)に対する総合的治療を厳しく行って、脳梗塞発症の一次予防を行います。

3-2、脳梗塞を手術で予防する

脳梗塞予防の外科的治療は、内頚動脈狭窄に対する内膜剥離術(または、血管内治療によるステント留置術)と内頚動脈閉塞や中大脳動脈の狭窄・閉塞に対する浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術が頻度の高い血行再建術です。
一過性脳虚血発作(TIA)や軽症の脳梗塞の原因が、頚部内頚動脈の狭窄である場合は50%以上の狭窄、症状がない場合でも60%以上の狭窄の場合、頸動脈内膜剥離術を行った上で内服治療を継続する方が、内服治療単独に比べて脳梗塞再発率が低いとされております。内膜剥離術については、すでにこの案内の中でご説明しております。次に、内頚動脈や中大脳動脈が動脈硬化によりすでに閉塞してしまった場合です。既に閉塞しておりますので、内膜剥離術はできません。また、脳梗塞を既に発症し後遺症が強い場合も予防という目的が小さいので、手術適応はありません。閉塞しても後遺症が全くない場合やあっても軽度の場合は、再発して重度の後遺症を来さないように浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術による血行再建を行う適応を、患者さんとご家族とよく相談した上で、実際に手術を行うかどうか決定しております。

動脈硬化が進行し、太い主幹動脈の狭窄や閉塞となった場合は、脳梗塞発症や再発の予防のために上記のような手術を検討し、積極的に抗血小板薬や、危険因子の高血圧・糖尿病・高脂血症の薬の内服も検討して脳梗塞とならないような最大限の努力が必要です。

脳腫瘍の症例と治療

脳腫瘍

髄膜腫

髄膜腫は、脳を取り囲む硬膜のどこからでも発生し、腫瘍により脳が直接圧迫されたり、腫瘍により圧迫されて生じた正常脳の脳浮腫により、運動麻痺・視覚障害・精神症状など、様々な神経症状が出る可能性があります。奥深い神経や血管に絡んだ部位にできるか、大脳の表面をとり囲む硬膜にできるかで、手術の難易度が変わりますが、術中のナビゲーションや術中電気生理モニターを行いながら、術前に神経症状がある場合には、できるだけ軽減するように、また、術後新たな神経症状がでないように工夫をしながら手術を行います。

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<手術例の参考写真>

下垂体腫瘍

下垂体部の腫瘍性病変は、一番頻度の高い下垂体腺腫の他に、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、ラトケ嚢胞、くも膜嚢胞、リンパ球性下垂体炎など、様々です。頭部下垂体MR検査を行い、画像説明と手術の必要性など、ご説明いたします。
一般的な手術の適応は、(1)腫瘍の視神経圧迫による視力低下や視野障害が出現した場合、(2)腫瘍による下垂体圧迫により下垂体機能不全症状が出現した場合(GH産生低下による小人症など)、(3)ホルモン産生腫瘍により過剰に分泌されたホルモン症状が出現している場合(末端肥大症、クッシング病など)などですが、患者さんそれぞれの状況により、よく検討する必要がある病気です。
手術につきましては、担当石川の経験として、ハイビジョン内視鏡を用いた、両側鼻孔からの手術、下垂体腺腫であれば、被膜外切除、必要に応じての視神経や外眼筋モニター、頸動脈が近いことから超音波内視鏡による残存腫瘍の確認や頸動脈の位置確認について、術中髄液漏が生じた場合の鼻中隔粘膜弁を用いたトルコ鞍底形成など、ご説明します。

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<手術例の参考写真>

聴神経腫瘍

聴神経腫瘍の特徴と治療
聴神経腫瘍は聴神経から発生する良性脳腫瘍のひとつです。聴神経には、音を聞くときに機能する蝸牛神経と平衡感覚に関係する前庭神経とがあり、通常前庭神経から発生しますが、初発症状は、聴力低下も多く、ふらつきなどの平衡機能障害も腫瘍の成長とともにみられてきます。腫瘍に顔面神経も圧迫されると、顔面神経麻痺がみられることがあります。顔面神経麻痺は、片側の顔の筋肉が動かなくなり、顔がゆがんでしまう症状です。
良性腫瘍ですが増大すると、小脳や脳幹の圧迫症状も出現して生命にかかわってきますので、手術による腫瘍摘出が必要です。術後症状を出さないように腫瘍摘出術時の電気生理学的モニタリングを行います。腫瘍摘出中に顔面神経がどこにあるかを知るために位置の同定を行い、顔面神経持続モニターにより顔面神経機能モニターを行います。
有効な聴力が残されている場合、聴性脳幹反応(ABR)や聴神経からの直接神経活動電位(CNAP)を測定し、手術中の聴神経機能モニターと蝸牛神経の同定を行い、聴力保存をめざします。

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<症例の参考写真>

グリオーマなどの悪性脳腫瘍

脳の細胞は、主に神経細胞とグリア細胞です。このグリア細胞の腫瘍が悪性脳腫瘍の代表的なグリオーマです。脳のどの部分にも発生し、その発生した部分の脳は圧迫されて神経症状をだしますので、運動麻痺や失語症などで発症することがあります。しかし、腫瘍全体を手術で摘出すると、その中の機能している神経細胞も一緒に摘出され、その神経細胞の機能が消失してしまいます。したがって、腫瘍はできるだけ多く摘出することが大切ですが、術後神経症状につながらないようにモニター下の摘出が大切になります。
電気生理学的モニターとして誘発電位や誘発筋電図の測定を行い、東芝製の超音波装置を用いて脳や腫瘍の部位や形状を、必要に応じて超音波専用造影剤も用いて、術中に腫瘍や周囲血管のモニターを行って安全に腫瘍摘出を行います。5ALAという蛍光薬剤も用いて、術中の腫瘍蛍光画像を参考に腫瘍摘出を行うことができます。

術後の化学療法は、腫瘍組織診断の結果により、最も効果がある薬剤を選択し治療します。それに加えて最近では、アバスチンという腫瘍浮腫の改善効果のある薬を患者さんに応じて使用します。早期から使用することで腫瘍血管の新生を抑えて腫瘍の成長を抑える効果も我々は実感しております。
さらに放射線治療としては、関連施設である江戸川病院では、特有のトモセラピーという悪性腫瘍専用の放射線治療を行って、治療効果を高めています。この専用装置は日本に30台はいっていますが、そのうち江戸川病院に3台あり、特徴的治療法となっています。詳しくは、江戸川病院のホームページをご覧ください。

転移性脳腫瘍

体のどこかに癌ができて、それが脳に転移したのが転移性脳腫瘍です。腫瘍周囲の正常脳に浮腫が広がる特徴があり、正常脳に及んだ浮腫や、腫瘍そのものの脳圧迫によって運動麻痺などの神経症状が出ている場合には、ある程度大きくなった腫瘍本体を摘出することで、その神経症状が改善する可能性があります。
腫瘍本体へは、手術ナビゲーションによる腫瘍の位置確認だけでなく、東芝製の超音波装置による術中のモニターを行い、手術中に随時正確に腫瘍の位置を確認して腫瘍摘出術を施行します。悪性グリオーマ同様に、当院特有のトモセラピーという悪性腫瘍専用の放射線治療を行って、治療効果を高めます。

脳卒中(脳血管障害)

くも膜下出血の原因、脳動脈瘤の診断と治療

くも膜下出血は、死亡する確率も高い怖い病気のひとつです。その原因は、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどで、破裂していない脳動脈瘤があるかどうかは、さいたまセントラルクリニックでは頭部MRアンギオという血管を見る検査により明らかになります。

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<手術例の参考写真>

脳出血

脳内の細い血管がきれて脳組織内に出血し、出血した血液により脳損傷がおこります。出血の大きさによっては、開頭血腫除去術や内視鏡による血腫除去術を施行します。脳出血の予防は、血圧の管理が最も重要です。

脳梗塞

脳梗塞とは動脈硬化により脳血管が閉塞したり細くなると、脳への血流が低下して、半身麻痺や言語障害がおこるのが脳梗塞です。動脈硬化の予防が脳梗塞発症の予防となります。内頚動脈など太い脳血管の狭窄や閉塞は、内科的治療を行いながら、手術治療を検討することになります。脳ドックなどでは、頭部MRIやMRアンギオなどで脳血管の検査を行い、糖尿病・高血圧・高脂血症などの危険因子のチェックを行います。主幹動脈の狭窄や閉塞が見られる場合、脳神経外科で手術適応を検討します。
前ぶれのない最初の発症が、半身麻痺などの後遺症を残す脳梗塞となり、リハビリなど最善の手を尽くしても社会復帰が難しいことも少なくありません。高血圧・糖尿病・高脂血症・喫煙など脳梗塞危険因子のある方は、食事や運動など生活習慣の改善と内服治療による脳梗塞の予防が必要です。一時的に力が入らないなどの症状があり、回復した場合でも、頭部MR検査により、脳血管の狭窄や閉塞がないかどうかの検査が必ず必要です。

頚動脈内膜剥離術(CEA)

最近は、日本人の食事の欧米化に伴い、頚動脈の動脈硬化性病変が増加し、頚動脈狭窄症が脳梗塞の原因として注目されています。脳梗塞が軽症で落ち着いたり、脳梗塞の1歩手前の一過性の脳虚血症状のみで、その原因が頚動脈狭窄の場合、脳梗塞の再発予防で、その狭窄部の肥厚した内膜を剥離して取り除き、血管を太くして脳血流を確保するのが、頚動脈内膜剥離術です。
さいたまセントラルクリニックでは、頸部MRアンギオ検査により、症状がなくても頚動脈狭窄があるかどうか診断できます。頸部血管の狭窄が軽度でも、頸動脈エコー検査によりプラークという動脈硬化性変化を調べることができます。内膜剥離術(CEA)を行うか、頸動脈ステント(CAS)を行うかは、症例毎のデータにより脳卒中ガイドラインをもとに決定します。

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<手術例の参考写真>

浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術

軽い脳梗塞(手や足の力が弱くなったが、リハビリで改善したり、日常生活が可能なレベルまで回復した場合)や一過性脳虚血発作(手や足が動かないとか力が弱いなどの症状が一時的に出て回復する場合)などで、その原因が、内頚動脈や中大脳動脈の閉塞や狭窄である場合、再発してしまうと重症脳梗塞となる可能性があり、血管吻合術により血流をふやして低下した脳循環予備能を回復させ、再発防止に努めます。この手術は、梗塞の再発予防の手術ですが、軽度の麻痺や、ぼっとしているなどの高次機能障害などが、血管吻合術後改善傾向を示すことがあります。

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<手術例の参考写真>

もやもや病

年齢と発症のタイプ(梗塞タイプ、出血タイプ、てんかん発症タイプ)により、直接血行再建術、間接血行再建術、両者の併用などの、外科的治療の必要性を検討しております。てんかん発作に対しては、抗けいれん薬の内服を行います。脳梗塞の症状がでたことがある場合には、脳血流を改善するために、直接的血行再建術(浅側頭動脈‐中大脳動脈吻合術)と間接的血行再建術(脳表に筋肉などの血流のよい組織が接するようにして、年月をかけて血管が新生してくるようにする手術)を検討します。患者さんごとに最適な治療を検討します。

機能的脳神経外科

片側顔面けいれん

1) けいれんの特徴
左右のどちらか片側だけの顔面の筋肉がぴくぴくけいれんをおこす病気です。目の周囲からはじまり、数ヶ月から数年経過して、同じ側の口のまわりなど顔の下の方の筋肉へとひろがってゆきます。けいれんもひどくなると目を閉じてしまうようになり、車の運転などが危険になってしまうこともあります。緊張した時や、寝不足のときなどは、けいれんが増強する傾向が見られます。通常、左右どちらかにみられ両側にみられることはありません。

2) 原因
頭蓋内の小脳橋角部というところで顔面神経を動脈が拍動性に圧迫刺激することによって、顔面神経が過敏になり、顔面の筋肉が無意識にぴくぴくと引きつれるように動いてしまう病気です。

3) 診断
上述のけいれんの特徴に加えて、我々の施設では、誘発筋電図の検査を行うこともあります。また、画像検査では、MRIとMRアンギオ検査を行い、顔面神経を刺激している動脈を同定し、脳腫瘍や血管奇形などがこの病気に関与していないことを確認します。

4) 手術治療
神経血管減圧術を行います。顔面けいれん側の耳の後ろ、約6-7cm皮膚を切開し、500円玉強の大きさの穴を頭蓋骨に開けます。そこから、脳神経外科手術用顕微鏡を使用して、テフロン片により顔面神経を圧迫している動脈を移動させ、動脈による顔面神経の圧迫を解除します。この減圧部分は、深く観察しにくい場所でもあり、ハイビジョン内視鏡で確実に観察し、減圧プランを立て、確実安全な減圧を行います。内視鏡によりさらに圧迫血管が発見されることもあり、手前の圧迫血管の減圧のみでは治らない症例を経験しています。手術中にも筋電図検査を行い、手術操作のめやすにしています。ほぼ全例で反応が低下してくるために手術中のモニターとして有用です。ハイビジョン内視鏡と筋電図モニターを使用することで、100%の治癒率をめざしています。

5) ボトックス治療
高齢者や全身合併症のために、全身麻酔や術後合併症のリスクが高く、神経血管減圧術が困難な場合、また、手術以外の治療を考えられる患者さんに対して、症状を少しでも軽減する目的でボトックス治療を行っております。薬が少ないとけいれんが消失する効果が少なく、薬が多いと軽い顔面筋麻痺となる危険はありますが、次第に注射の量を調整してゆくことで、けいれんを軽度の状態に安定させることができます。約3-6ヶ月でその効果が消失してきますので、再治療が必要となります。この治療を、さいたまセントラルクリニックで施行しております。

三叉神経痛

片側の顔面痛で、ものを食べたとき、顔を洗った時、歯を磨いたときなどに、顔面や口腔内に電撃痛、歯医者さんで虫歯の治療中に神経に触ってずきっとくる時の痛いです。治療は、1)テグレトールやリボトリールという内服薬と、2)三叉神経を拍動性に圧迫する正常の頭蓋内動脈を手術で異動させる治療とがあります。

三叉神経痛の特徴と治療

1)痛みの特徴と診断、原因
片側の顔面痛で、ものを食べたとき、顔を洗った時、歯を磨いたときなどに、顔面や口腔内に電撃痛が走るのが特徴です。三叉神経が正常の頭蓋内動脈により拍動性に圧迫されることが原因です。

2)手術治療
[1]手術は、顔面けいれんと同様に、神経血管減圧術を行います。顔面痛側の耳の後ろ、約6-7cm皮膚を切開し、500円玉強の大きさの穴を頭蓋骨に開けます。そこから、脳神経外科手術用顕微鏡を使用して、テフロン片により圧迫血管を移動させて三叉神経の圧迫を取り除きます。また、神経の癒着やよじれを可能な限り、解除します。
[2]術中モニター:手術合併症として、聴神経が弱いため、片側顔面痙攣と同様に聴力障害が出る可能性があり、手術中に、聴性脳幹反応(ABR)といって、聴力のモニターを行います。
[3]術後経過観察:三叉神経痛は、手術直後から消失する患者さんが多いですが、少し痛みが残り、しばらくしてから痛みが消失する患者さんもおります。

   
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